![]() 末長く「心地良く動く体」を楽しみたければ、あなたが毎日行っている動作を見直してみましょう。今回は「座って、立つ」という極めてシンプルな動きに着目します。 年を重ねる過程で多くの人が不満に思うのが、若いときほど「動けなくなる」ことです。痛みが出たり、体がかたくなったり、関節が鳴りやすくなります。特に上半身と下半身をつなぐ股関節に問題が起きることが多いようです。 ただし、これは誰もが通らなければならない道ではありません。実際には、年を重ねるごとに肉体の調子が良くなることすら可能です。筋肉と骨を強くすることと、柔軟性を高めることをバランス良く行うのがカギです。股関節は特に重要な部位です。 股関節の痛みやかたさは、良質なオイルが欠如した食生活、コンクリートの歩行、毒素の蓄積、座るとき、歩くときの姿勢の悪さなどが原因となります。けれど、あなたが今いくつであっても改善することが可能です。「座って、立つ」というごくシンプルな動きの一回一回が、股関節が本来デザインされた通りに動かす練習するチャンスであり、バランスのとれた状態に再訓練することができる、と捉えてみましょう。 「座る」という動きを私たちの多くは無意識に行っているでしょう。次「座る」とき、アラインメントを少しだけ意識してみてください。椅子に寄りかかっていませんか? 体の片側に体重をかけていませんか?ドスンと音を立てて座っていませんか? 座ったり立ったりするときに、痛みや不快さが伴ったり、息を止めようとしていたりしませんか? もしこれらのどれかに当てはまる場合は、以下で紹介する「座って、立つ」というシンプルなエクササイズを実践し、股関節回りのアラインメントを整え、強化することをお勧めします。 「座って、立つ」は、足のアラインメントを整える(人差し指が正面を向いているのが正しい状態)のにも役立つ素晴らしいプラクティスです。ガニ股が習慣になっている人も多いかもしれません。その方が歩きやすく感じるのも理解できますが、この足の配置は体の安定性を激しく損ないます。結果転びやすくなったり(試しに、友達に優しく押してもらって、ガニ股で立っているときと、人差し指を正面に向かせたときと、違いを感じてみてください) 体の一部を動かしたとき、体のそれ以外の部位にも必ず影響があります。正しい足のアラインメントが正しいひざと股関節のアラインメントにつながり、それが骨盤のアラインメントを支え、さらにそれが背骨を安定させ、機敏にかつ有能に人生を立ち回ることを可能にします。座り方を学び直すだけで、こんなにも素晴らしいことが起こり得るなんて思ってもいなかったのではないでしょうか?! 「座って、立つ」エクササイズをアーサナの練習に定期的に取り入れてみてください。股関節まわりが強化され、柔軟性も高まったと実感するまで長くはかからないでしょう。しかもこの変化は一生モノです。 アーサナ アウトライン エッセンス:股関節のバランスと柔軟性アップ アンカー:足 ストレングス:脚、臀部、骨盤底筋 土台から作り上げる「座って、立つ」エクササイズ 私たちがこのポーズを好む理由の一つは、どんな方でも必ずプラクティスができるからです。椅子→重ねたブランケット→薄いクッション→直に床、と生徒さんのスタート地点に応じて難易度を上げていくことができます。. ![]() 1. 椅子(またはブランケット、クッション、何もなし)の前に、股関節幅に足を広げて立ちます。足の人差し指が必ず正面を向けていることを確認します。(ガニ股に慣れている人は内股になっているように感じるかもしれませんが、次第に体もマインドも適応し、自然に感じるようになります。)腰がひざ、かかとの真上に来るようにアラインメントを意識します。 ![]() 2. 鼻から吸う息と吐く息が均等になるようにウジャイ呼吸をします。足先、ひざ、腰のアラインメントをキープしたまま、息を吐きながらひざを曲げて座ります。その際、股関節を軸に少しだけ上半身を前傾させ(背骨は丸めず伸びた状態)、腕は体の前に下げてバランスを取ります。お尻が椅子(もしくはブランケットやクッション、床)に着くまでひざを曲げます。座ったときには体重を_一度床方向に完全に預けます。 ![]() 3. 足とひざが真っ直ぐ正面を向いた状態で、息を吸いながら立ち上がります。座るときと同じように腕でバランスを取り、脚、骨盤底筋で力を発揮します。スムーズな動き、一貫した動きを心がけ、足はプラクティス中ずっと床に向かってしっかり押し付けます。15-20回で1セットを、アーサナのプラクティスの一部として定期的に取り入れましょう。 よくある間違い ![]() ひざが外また内を向いている。 座る際に腰幅以上にひざを広げたり、逆にひざ小僧をくっつけて支えようとする人も多いでしょう。しかし、これらはひざを部分的に引っ張ってしまい股関節のバランスを狂わせます。ひざは正面を真っ直ぐ向いた状態をキープすることで、股関節と脚のバランスが整い、骨盤底筋をアクティブにでき、背骨を支えることができます。 ![]() 足がガニ股になっている。 「座って、立つ」プラクティスの目的は下半身の筋肉の再訓練と、足、ひざ、股関節のアラインメントの再調整です。足が正しいアラインメントにあると、自動的にひざ、股関節もバランスが整い、背骨を支えるためにベストな位置に配置されます。
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12 月 2019
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