![]() 愛はシンプルです。けれど、少しなぞなぞのようでもありますね。私たちは愛を求めているけれど、私たちはすでに愛。愛をどれほど持っているかが分かった途端、もっとたくさんの愛を簡単に引き寄せる。なんて。 もちろんこれは真の愛のことです。内に宿る神聖な存在のことです。あなたが他者と築く関係は全て、あなたと内に宿る神との関わりの表れです。ですから、穏やかな心持ちで身を捧げる、という結びつき方を突き詰めることがとても大切です。私たちは愛です。ひとたびそのことに気づけば、あなたは私利私欲を捨て、その愛を他者と分かち合うことができるようになるでしょう。 まずは自分自身を愛するということに日々身を捧げる私たちはヨガを通して、それぞれの内に神が宿るのだと知ります。ですから、この根源から沸き起こる深い無条件の愛に直接つながることは、毎日どの瞬間でも可能なのです。内側に深く潜れば潜るほど、もっと多くの愛が外に輝きだします。朝の瞑想をして、本物の愛と繋がってください。深く意識的な呼吸を思い出しながら1日を過ごし、夜、眠りにつく前には温めたスパイスミルクを飲んで、静寂の一瞬を慈しんでください。 人生を自分への愛を土台に築いていたら、愛を見つけ、愛を分かち合うことは簡単です。そして、人や物にのぼせ上がり、強い欲望を抱いて道を外すことになるような、そんな混乱の愛を避けることも、簡単です。人生には、あなたの霊的な道を邪魔しようと誘惑するものがたくさんあります。食べものの誘惑、アルコールの誘惑、波動の低い人間関係の誘惑など、枚挙にいとまがありません。あなたが内なる神に気づけば気づくほど、誘惑に背を向けることが簡単になります。外側のものに気を取られることを自分に許す前に、自分自身に問いかけてください。その欲望に流されて、自分はsattvaサットヴァすなわちバランスと調和に近づけますか、それとも遠ざかりますか、と。その後で、自分の人生をどうしたいのか、そのことを踏まえて決断すれば良いのです。 性的エネルギーの力愛と人間関係について語るなら、人の性のパワフルな力についても触れなければなりません。性的エネルギーには多くの目的がありますが、その全ての根底にあるのは、創造する力です。生み出すものが子供であれ、パートナーとの結びつきであれ、内なる変容による霊的成長であれ、性的エネルギーは私達の持つ最も偉大な力です。賢く扱えば、私達の自己実現を目指す道のりを導く力にもなります。けれど、この性的エネルギーが簡単に手に入る快楽や緊張の解放という形で表れれば、それは生命力を枯渇させる行為です。 性的エネルギーを適切に使うことはアーユルヴェーダの健康の4つの柱の1つであり、ヨガの八支則の行法の1つです。この2つの科学には、この力を賢く使うよう私たちを導くテクニックがあります。 アーユルヴェーダの解剖学では、私たちのからだには7タイプの組織がある、とされています。これら7つは全て、順番に、私たちの食べたものと飲んだものから栄養を取ります。そして、どう食べものと人生を消化するかで、栄養が決まります。Shukra dhatuシュクラ・ダートゥすなわち生殖器官の組織はこの7つのダートゥの最後にあたるため、食べものから摂取できた栄養素とプラーナは全て、生殖器官に辿り着く前に、残り6つのダートゥで処理されています。けれどシュクラ・ダートゥには、オージャスすなわちからだ全体を支える活力と免疫力の再生、という重要な役割があります。そして、典型的な現代風ライフスタイルを送っている現代人の多くは、シュクラ・ダートゥがすでに弱っています(食べものと生活習慣の選択が組織発達に影響を及ぼしていると理解することも、アーユルヴェーダが何故これほどに不妊症改善の役に立つのか、の理由の一つです)。シュクラ・ダートゥが生殖流動体の中で失われると、肉体は悪化し、私たちの全体的な健やかさも損なわれます。 ヨガの教えでは、心で見る性的エネルギーの適切な使い方について説いています(ヨガの真の目的は、結局のところ、心の衝動を制圧することです)。ヨガ・スートラにあるヤマのひとつ、brahmacharyaブラフマチャリヤは、性的エネルギーを制御することが心を静める鍵である、と教えています。 ブラフマチャリヤを禁欲と解釈する人もいます。性的エネルギーを霊的成長のためのエネルギーとして昇華させること、という表現もできますが、多くの人にとっては、ブラフマチャリヤとは、この性的エネルギーというパワフルなエネルギーの使い方にきちんと境界線を引き、正しく識別する力を使うことによって、自分の心とからだと魂を尊ぶことである、と解釈する方が分かりやすいかもしれません。つまりこれは、あなたの中で最も大切な、あなたの内に宿る神との関係を尊ぶ方法なのです。 ブラフマチャリヤの実践では、自己の外側にあるものに惹かれる時、私たちはエネルギーを失う、とされています。これは特に、性的エネルギーという強い力に直面した時に、顕著です。セックスに耽ったり、誤った意図でセックスをしたりすれば、私たちは内なる神から遠ざかります。このような形で性的エネルギーを浪費すれば、心はますます弱まり、自分の我に振り回され、他の誘惑まで引き寄せることになります。 性的エネルギーを賢く使うセックスを、2人の人間の間で行われる神の創造エネルギーの交換、として認めれば、あなたにもそこに備わる聖なる力が見えてくるでしょう。あなたとあなたのパートナーのどちらもが、敬意を払ってこのエネルギーを取り扱うことが大切です。
セックスを、力を誇示するため、あるいは逃げ場的な享楽や、緊張をほぐすために使ってはいけません。もちろん恥じる必要もありません。セックスは、人である以上当然のことであり、人生を経験するために存在しているのですから。自分のセクシュアリティをどう表現するかは、Vivekaヴィヴェカ(識別)を実践しましょう。そして、セックスを愛して讃えることができるようになりましょう。この贈り物を尊重できる人とだけ分かち合いましょう。自分のコンディションにかかわらず見境なく誇示したり分け与えたりするというような行為は、あなたの生命力を奪うだけです。そして、誰かとパートナーシップを築くのであれ、あなたの性的エネルギーを昇華させるのであれ、日々の瞑想とプラーナヤマを通してこの創造の力を抑制できるようになりなさい(シッダアーサナとウドギータを実践してみてください)。 性的エネルギーのブラフマチャリヤを実践していけば、人生には自分のエネルギーを浪費している場面が他にも沢山あることが見えてくるでしょう。人生におけるあなたの目的は、他の人を、性的に、あるいは別の方法で幸せにしようとして身を屈めることではないのです。永遠の魂としての神聖な自己を表現し、そこから人生がもたらす全てのものを享受する、そのために自分のエネルギーと健康を操ることこそが、人生の目的なのです。ブラフマチャリヤの教え。それは、自分のエネルギーの放出の仕方に意識的になることで、あなたは自身の内在神の宿る場所、自分の内側を見つめる時間をもっと多く過ごすであろう、ということ。その場所で、あなたは神の愛を経験し、分かち合うことのできる多くを手にすることができるのです。
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12 月 2019
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