![]() バスマティライスとひきわりのムング豆を一緒に調理したものは、心と体を癒すとして、何世紀にもわたって食べ続けられてきました。そう、それがキッチャリー、アーユルヴェーダの癒しフードです。 どうしてキッチャリーは癒しフードと呼ばれるのでしょうか。まず、お米、豆、野菜の組み合わせは、栄養バランスがとても良いと言えます。次に、クミンやジンジャーなどのスパイスを加えることで味が良くなり、またクレンジングの効果も期待できます。最後に、なんといっても、食材をすべて一緒にたっぷりの水で優しく雑炊のように調理することで、胃に優しい、消化の良い食べ物に仕上がるからです。キッチャリーを食べると、いつもより消化にエネルギーが使われないので、体がお休みでき、アグニ(消化の火)が回復するでしょう。 5日間のキッチャリークレンズとは パンチャカルマよりも優しくシンプルなアプローチで、あなたをバランス良く総合的に癒してくれるキッチャリークレンズ。アーユルヴェーダ初心者の方、今後パンチャカルマを受けて心と体のリセットをしたいと考えていいて、最善の結果を得るための準備をしたい方などにもおすすめです。 キッチャリークレンズはとてもシンプルです。というのも、すべて日常のルーティーン、すなわちディナチャリヤで構成されているからです。極力ストレスがかからない方法です。 以下が基本のディナチャリヤです。
7種のキッチャリーレシピ 注:アメリカサイズの1カップ=240ml 皆さんがご自身でキッチャリークレンズを行えるように、7種類のキッチャリーを紹介します。基本のコンセプトを理解したら、自分なりにアレンジを加えてクリエイティブに楽しんでください。エクストラクティブの野菜40%、オーグメンティングの野菜60%の様々な組み合わせ、そしてミントやパクチーをはじめとする生ハーブ、挽きたてのフラックスシード(亜麻の実)のトッピングなど、可能性は無限大です。ただし、ラジャシック、タマシックな野菜、つまり玉ねぎ、にんにく、大根、ラディッシュ、アルグラなどの野菜は避けましょう。スパイスも是非色々試してみましょう。パウダーの方がホール状のスパイスよりもいくらか消化がしやすいことが多いです。これも覚えておくと良いでしょう。 バスマティライスも白米、玄米と選択肢があります。白米の方が玄米よりも消化に良く、玄米の方が食べごたえがあり、体を温める質がやや高いと言えます。両方試してみて、体の反応を感じてみましょう。 1. 基本となるプレーンのキッチャリー 最もベーシックなキッチャリーは米、ひきわりのムング豆、ギーで作ります。野菜は使わず、スパイスの種類も少なくしてさらに消化に負担がかからないレシピです。病み上がりのときや、怪我や手術後などに最適です。1日2日、プレーンキッチャリーを食べてから、野菜入りのシンプルキッチャリーにシフトすると良いでしょう。 材料: クミンシード···小さじ½ コリアンダーシード···小さじ½ ブラウンマスタードシード···小さじ½ ギー···大さじ1 ½ バスマティライス···½カップ ひきわりのムング豆···¼カップ(ひきわりが見つからなければ全粒の緑豆で代用し、良く加熱調理する) 昆布···1切れ(細かく切る) 水···6カップ(必要に応じて増量する) アサフェティダ(ヒング)···小さじ1/8 岩塩···小さじ½ ショウガのすりおろし···大さじ½ ターメリック(フレッシュまたはパウダー)···小さじ½ カルダモンパウダー···小さじ¼ 作り方: クミン、コリアンダー、ブラウンマスタードシードと半量のギーを香りが立つまで弱火で炒めます。米、ムング豆、昆布を足して、混ぜながら2分程加熱します。_4カップの水を鍋にいれて45分コトコト煮ます。圧力鍋使用の場合は圧力がかかった状態で18分程加熱します。 残りのギーを小さめのフライパンに入れ中火にかけます。塩、ショウガ、アサフェティダ、ターメリック、カルダモンを足して香りが立つまで2分程炒めます。大きい鍋の方に合流させ、5分間程置き味を馴染ませます。温かいうちに、もしくは常温で食べましょう。 2. 野菜入りシンプルキッチャリー プレーンのバージョンに、オーグメンティングとエクストラクティブの野菜を足したバージョンです。オレガノを小さじ1足すことで消化が促進されます。 材料: クミンシード・・・小さじ1 コリアンダーシード・・・小さじ1 ブラウンマスタードシード・・・小さじ1 ギー・・・大さじ3 バスマティライス・・・½カップ ひきわりのムング豆・・・¼カップ(ひきわりが手に入らない場合は、全粒で構いません。その場合はよく加熱する) 昆布・・・1切れ 水・・・6カップ(必要に応じて増量する) アサフェティダ・・・小さじ1/8 岩塩・・・小さじ½ ショウガのすりおろし・・・大さじ1 ターメリック(すりおろしもしくはパウダー)・・・小さじ1 カルダモンパウダー・・・小さじ½ 切りたての野菜・・・ 3 - 4カップ(人参、かぼちゃ、スカッシュ、ケールなど。オーグメンティングとエクストラクティブのバランスに気をつける) 作り方: クミン、コリアンダー、ブラウンマスタードシードと半量のギーを香りが立つまで弱火で炒めます。米、ムング豆、昆布を足して、混ぜながら2分程加熱します。_4カップの水を鍋にいれて45分コトコト煮ます。圧力鍋使用の場合は圧力がかかった状態で18分程加熱します。 残りのギーを小さめのフライパンに入れ中火にかけます。塩、ショウガ、アサフェティダ、ターメリック、カルダモンを足して香りが立つまで2分程炒めます。野菜を入れて野菜が少し柔らかくなるまで優しく加熱します。大きい鍋に合流させ、5分間程置き味を馴染ませます。温かいうちに、もしくは常温で食べましょう。 3. 腎臓に効くキッチャリー 腎臓は体内の全ての液体の代謝を担っている重要な臓器です。ストレスを感じていると腎臓に負担がかかるため、特にストレスフルな時期やヴァータドーシャを鎮めたいときなどにおすすめしたいバージョンです。水分不足時、逆に過多になっているとき、また尿路感染症を患った後などにも効果的です。 シンプルバージョンのレシピの豆をあずき豆に変えます。豆は事前に水に浸しておくか、圧力鍋を使ってよく調理しましょう。(事前に水に浸して、かつ圧力鍋を使ってもok)アサフェティダを小さじ½に増量し、フェンネルシードを小さじ¼、ベイリーフ2枚、カリーリーフ4まい、シナモンパウダー小さじ1/8 、挽きたての岩塩小さじ¾を追加します。ショウガは使いません。小さく切ったごぼうを8-10インチ、生のごぼうが手に入らない場合は乾燥ごぼうを大さじ1足しましょう。 4. 肝臓・胆のうに効くキッチャリー 肝臓と胆のうも血液から毒素を取り除き、スムーズな消化を支えるのに大切な臓器です。毒素やストレスにさらされてしまったなと感じるときやピッタドーシャが過多になっている場合に、この肝臓に効くキッチャリーをお試しください。 シンプルキッチャリーのレシピを基本に、お米を同量のバーリー(大麦)に変更します。水を足すタイミングで、生のごぼう15-20センチ、パースニップ1個、タンポポの根っこ大さじ1(生が手に入らない場合は乾燥物で代用可)をそれぞれ小さく切って入れます。ブロッコリーか緑の濃い葉野菜(エクストラクティブの野菜)と、調達しやすいオーグメンティングの野菜をお好みで入れましょう。 5. さつまいものキッチャリー 栄養たっぷりで美味しいこのキッチャリーは、ヴァータドーシャを鎮め、グラウンディングをサポートし、ヴァータとカファドーシャの持つ冷たい質を温めてくれます。 シンプルキッチャリーのレシピを基本に、ショウガを大さじ3に増量します。さらにココナッツシュレッド大さじ2、パクチー½カップ、カルダモンの鞘8個、黒胡椒の実11個、シナモンスティック3センチ弱、ベイリーフ3枚、クローブホール8個を追加します。野菜は大きめのさつまいも1-2個を一口サイズに切ったもの、そしてケールやカラードグリーンなどの葉野菜を使いましょう。 ショウガ、ターメリック、パクチー、ココナッツをブレンダーにかけたものを、ギーとその他のスパイスを炒める際にあらかじめ入れておき、米と豆に一緒に合流させます。夏場やピッタが過剰になりがちの場合は、胡椒、シナモン、クローブを半分以下に減らしましょう。特に秋から春にかけて良いレシピです。 6. 体を冷ますクーリングキッチャリー ピッタドーシャのバランスを整えてくれる夏に適したキッチャリーです。 シンプルキッチャリーのレシピを基本に、15-20センチの生ごぼう、1-2カップのさやいんげん、小さじ1のフェンネルシードを追加し、ショウガを外します。 7. 体を温めるウォーミングキッチャリー ヴァータドーシャのバランスを整えてくれるキッチャリーです。ヴァータの季節(9月-1月)や不安なとき、ふわふわ地に足つかないとき、風邪をひいているときなどにおすすめです。カファドーシャのバランスを整えたいとき(気力が無くだるい、憂鬱、冷えるときは、カファが乱れているでしょう)は、このレシピからギーの量を減らすと良いでしょう。 シンプルキッチャリーのレシピにカルダモンパウダーを小さじ¾に増量し 、さらに大きめのベイリーフ1枚、シナモンパウダー小さじ¾、クローブパウダー小さじ¼(ホールの場合は2-3粒)を追加しましょう。全てのスパイスをギーで炒めたらブレンダーに入れてよく撹拌してからキッチャリーと合流させます。
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12 月 2019
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