![]() あなたの内側には火があります。健康を育むためにはこの火を大切に扱わなければなりません。大量に薪をくべれば炎はごうごうと燃え盛り、砂を投げかければ火はくすぶって弱まります。けれどきちんとケアができれば、つまり正しく間隔をあけて薪をくべれば、この火は真の健康な状態を保ち、ちゃんと幸福に生きるのに必要なエネルギーをもたらしてくれます。 アーユルヴェーダでは、真の健康は消化器系に始まります。Agniアグニ、つまりサンスクリット語で消化の火、これは健康を担うエネルギーのことです。強いアグニを持つあなたのからだは、食べたものからプラーナという生命力を100%吸収し、amaアーマという毒素を完全に排出する力を持ちます。アグニが弱いと消化は減速し、毒がからだに蓄積します。これが病気に至る過程の始まりとなるのです。 アグニにバランスをもたらすアグニは日々のケアで大切にすることが重要です。確かに生まれながらの体質がアグニの傾向を決めはしますが、この体質は運命ではありません。つまり、誰もがバランスのとれた火を作る努力をすることができます。体質がヴァータ優勢である場合は、食べるのを忘れたり食間を長くあけすぎたりすることが多いかもしれません。これをすると、アグニは強すぎるか弱すぎるかの状態を行ったり来たりします。けれどこの問題は、規則正しい時間に食事をすることで解決できます(dinacharyaディナチャリャ、日常の習慣について詳しくはこちらから)。ピッタを多く持っているなら、辛い食べものに惹きつけられているかもしれません。辛いものを食べると火は激しく燃えさかりますが、冷却の食べもので火を静めることができます。カファが多い人は、一度の食事で食べすぎる傾向があるかもしれません。食べすぎはアグニの働きを遅らせますが、1日を通して生姜茶を飲み続けることで火をかき立て、物事をスピードアップさせることもできます。 あなたは食べたものではなく、消化したものでできている![]() アグニについて話すとき、何を食べるかと同じくらい大切なのは、それをどう食べるかです。現代社会においては「普通」とされる食べ癖も、アグニにとっては有害です。テレビの前で食べる。これはどうでしょうか。皆が当たり前にしている行為です。テレビに気を取られて食べることに集中できず、たいていの場合は噛む回数が減り、食べものをちゃんと味わってお腹いっぱいになったらそれを認識する、ということがおざなりになっています。けれどこれはどれも強いアグニを保つのに必要で、いい加減に扱って良いものではありません。それだけではありません。暴力的なものを見たり心が動揺したりしても、からだはそれをテレビの中の出来事である、とは認識せず、からだ中にストレスホルモンを分泌して消化の速度を遅めます。 食事の時間は食事のためだけのものにして、アグニにとって一番良い環境を作ってください。食事の場をあなたの中に灯る神聖な炎の祭壇だと思ってください。 自分のからだの生徒になるあなたのしていることが消化の火に砂をかけるような行為だとしても(先に食べたものを消化し終えていないのに次の食事をする、冷たい飲み物を飲む、運転中や立ちながら食べる等)、必ず本来の健康に戻す方法はあります。その第一歩は、現在の自分の健康状態を知ることです。この健康日記で何を食べ、その結果何を感じたかの記録をつけてください。やがて、自分のからだが通常どのように機能するのか、そして一番良い状態で機能しているときはどんな感じなのか、が見えてくるでしょう。この気づきがあれば、アグニを改善させる道具を手にしたも同然です。本来意図されたはずの健康を自分のものにしてください。 バランスのとれたアグニを作るためのヒント
食べるものとその食べ方にささやかな変化を。それであなたの火をきちんと燃やし、本来意図された健康に帰ることができるのですから。
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12 月 2019
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