![]() 塩は、世界中で何百年もの間使われてきました。最も古くからある調味料で、料理の要とも言えます。数千年前から塩が薬として使われてきたと聞くと、あなたは驚くかもしれませんが、塩は消化を促したり、滞りを解消したりする、ヒングヴァシタカhingvastakのような、いくつかのアーユルヴェーダの処方の鍵になる材料でもあります。 この鉱物からは多くの恩恵があるにもかかわらず、現在の医学のシステムの中で塩は問題視されたり、悪者扱いされてきました。しかし、塩を排除したり、極端に少なくしたりすることは、大きな影響をもたらすことになります。 ホリスティックな(総体的な)視点から見れば、塩自体には問題がないことは簡単に理解できます。塩が過剰に使われたとき、誤用されたとき、もしくは高度に精製されたとき(一般的に「食卓塩」などと呼ばれるもの)に健康問題が生じるのです。この自然からの贈り物は適量使用することで、とてつもなく大きな恩恵を受けることができるのです。 塩の種類について すべての塩は同じではありません。私たちの祖先が塩だと認識していたものは、現在私たちが普通に使っているものとは大きく異なります。かつては海や古代に海底だったところから自然に採取されていた成分でしたが、今では多くの場合、塩は料理というよりも産業としての使用に適すように高度に精製されています。ただ食卓塩が人気があるにも関わらず、ほとんどの自然食品のお店ではいまだにたくさんの種類のナチュラルソルト(自然塩)を見ることができます。ここに現在手に入る主要な3つのタイプの塩をご紹介します:
この記事を読んで、私たちが「塩」という場合には(すべてのハレプレの料理レシピも同様)、ミネラルソルトか自然な方法で採取された海塩(シーソルト)のことを指していることを、みなさんに受け入れていただけたらと思います。 ミネラルソルトや海塩からの恩恵 ![]() ヴァータ・ドーシャがバランスを崩しているときには特に、アーユルヴェーダで塩は薬として使われてきました。塩は、火と水の要素で作られていて、少量の塩は体内の水分レベルを整え、食べ物の栄養素の吸収を助け、血圧を整え、脳や神経系の機能を活性化します。しかしながら、多く摂りすぎるとカファを乱し(浮腫など)、高血圧や腎障害、骨粗鬆症やその他の問題を引き起こします。 塩は料理の最も強い味方として知られています。料理で使う場合には、風味を際立たせ、食べ物を体により吸収されやすいように柔らかくします。しかし塩がキッチンでの主要な地位を確保している理由の一つは、消化酵素を刺激するからなのです。 食事の前に、私たちは生姜のアペタイザーをよく食べます(レシピは下記)。塩と生姜とライムが、アグニagni(消化の火)を刺激するのです。アグニが弱っていると感じるときにいつでも食べてみてください。 生姜のアペタイザー 【材料】 生の生姜の薄切り 一切れ(もしくは刻み生姜小さじ¼) ライムの絞り汁 少々 ミネラルソルト ほんの少し すべての材料を合わせて、食事の10分前に食べましょう。消化を強化します。 調和と健康のために、塩をどのように使って料理するか ![]() 塩の一番の利点として、食べ物の味をよくするという能力があります。しかしながら、このことが理由となって、判断の操縦席のハンドルを握っているのが感覚であるときには、塩を過剰に使ってしまうことがよくあります。 私たちは、すべての料理に塩を使います。アーユルヴェーダクッキーを焼くときでさえもです。なぜかといえば、塩はすべての材料の味を向上させてくれるからです。そこで鍵となるのは、料理に対して適量を使うということです。 適切な量の塩を使うことで、食べ物の中にある複数の味をうまく合わせることができます。しょっぱさを感じることで、塩を入れ過ぎたことに気がつくでしょう。およそ小さじ⅛かそれ以下が1人分の食事に必要な量です。この量は、すべての食材の味をより鮮明に際立たせます。 塩を使った調理の鍵は、味を際立たせる能力を解放することです。ダイニングテーブルに塩の入れ物を置いてあるのは、よく見かける光景ですが、調理された後で塩を振るのは(それがミネラルソルトであっても)、体にとって強烈過ぎるのです。そのように塩を食べると、塩は熱が強いので、その効果を凝縮してしまい、ピッタの乱れを招きます。また調理後に塩を加えることは、味蕾を鈍らせます。テーブルに出した後で塩をかけることで、味の繊細さを引き出しているつもりでも、反対の結果を招いてしまうのです。 塩を忘れないように 数ヶ月前のブログでアーユルヴェーダのスパイスの使い方について書きました。その中でいくつかのスパイスの組み合わせを紹介しましたが、そのどれもが塩を含んでいます。そのことを見てもアーユルヴェーダのキッチンで塩は欠かせない構成要素だということがわかると思います。
料理には塩を使いましょう。これは、アーユルヴェーダ・シェフトレーニングでも生徒たちに伝えているコツです。鍋を温め、ギーかオイルを最初に入れ、そこに塩を入れてから、スパイスを入れ一緒に1分ほど温めます。この方法に従うことで、塩を加えることを忘れなくなるでしょう。
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12 月 2019
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