![]() 少し調べれば、たくさんのアーユルヴェーダのレシピやアーユルヴェーダのレシピ本、アーユルヴェーダのシェフを見つけることができるでしょう。でも”アーユルヴェーダ料理”というものを見つけることは決してないでしょう。それはアーユルヴェーダが単なる料理の方法だけではなく、自然のリズムというレンズを通した食べ物や人生の見方でもあるからです。 自然は絶えず変化しています。あなたが例えば家の周りで何が起きているかを注意深く見てみれば、1日として同じ日がないことに気がつくでしょう。あなたの心と体は自然の反射ですから、同じようにいつも変化しています。実際に、サンスクリット語の体を表す言葉”sharira”は、”常に変化するもの”と訳されます。 アーユルヴェーダのシェフになるということは、自然の導きに従うということです。あなたは、ドーシャバランスや、アグニの状態、季節の旬のものや環境の変化に基づいて、柔軟な態度で料理することを学ぶのです。
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![]() 私は2018年4月より、東京・中野坂上でアーユルヴェーダカフェを運営しています。 前職は全く違う仕事をしており、「食」に関わる仕事をすることになるとは思っていませんでした。 私たちはなぜ食事を気にするのでしょう? 突飛な例ですが、文学や絵画、音楽のような芸術はなくても生きていけるかもしれませんが、なければ人生を彩りのないものにし、逆にあれば人生がより豊かになります。私はアーユルヴェーダの食事法を学ぶ中で、「食」もこの芸術の一つと感じるようになりました。意識的でない食事を続けても死にません(結果的に死を早めるとしても)が、意識的な食事は体の健やかさと心の美しさをもたらしてくれます。 でも極端な食へのこだわりや厳格なルールは、頑固な印象を与え、人との付き合いを難しくするかもしれません。これは私がよく感じることです。「分かってくれる人にだけ分かってもらえればいいわ」という態度だと、個人としては閉鎖的になり、お店としては営業が成り立ちません。どうしたら、まだ多くの人にとって馴染みのないアーユルヴェーダの食事をうまく伝えていけるのか? アーユルヴェーダカフェを運営しているといろいろなことを考えさせられます。 今回は、アーユルヴェーダカフェを運営する中で私自身が感じたこと、お客様の反応、Hale Puleの料理についてお伝えします。 ![]() 西洋では、朝食が最も大事な食事であると言われています。これは、アーユルヴェーダの観点から見ても本当のことです。 ブレックファースト(breakfast、朝食)は、その日に食べる最初のご飯です。この言葉の意味は、”break the fast(断食を破る)”です。夜の間は、食事を摂らず消化器系の内臓を休ませていた状態です。朝早い時間には、アグニ(消化の火)はくすぶった石炭のような状態です。この夜間の断食を気をつけて破ることで、くすぶった石炭をあなたの消化の役に立つ安定した炎にすることができます。 朝食に何を食べるかが、その日一日のアグニに影響します。重たい食べもの、例えば卵、ソーセージ、ナッツバターは、あなたの火の勢いをなくしてしまいます。冷たい食べもの、例えばスムージーやヨーグルト、冷たい牛乳は、あなたの消化の流れを制限し、その日一日のあなたのアグニの力を弱めます。乾いたカリカリしてるもの、例えばトースト、シリアル、グラノーラは、ヴァータを増やします。ヴァータとアグニはお互いを助け合うこともあり、もう一方の不調和を作り出すこともあります。なので、どちらか一方との関係をよくすれば、もう一方との関係も良くなります。アグニに最善の選択はシンプルなことです。それは加熱調理した食事です。どんな朝にでも良い選択となるのが、お碗一杯の温かいポリッジです。 |
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10 月 2019
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