マイラ・リューインより ![]() キッチンへ行って、食品を貯蔵している棚の扉を開けてみましょう。冷蔵庫や戸棚の中、そのほか食べものがしまってある場所すべてを見てみましょう。そこで多くの場合見つかるのは十分な量の食料、何ヶ月も、ときには何年ももつ量の食べものです。 この投稿をパソコンやスマートフォンで読むことができているほとんどの人は、本当の飢餓を経験したことはないでしょう。それにもかかわらず、飢餓状態が深い恐れをもたらすという概念が多くのクライアントや生徒たちに見受けられます。 この傾向は、何年もの間私のクライアントである人の例を出すとわかりやすいでしょう。彼女は人生のほとんどの間、深刻な血糖値の変動に悩まされてきました。彼女はお腹が空くと、めまいがして倒れるのではないかと恐れていました。決して実際に倒れたことがないのにもかかわらずです。結果として、彼女は飢餓に対して大きな恐れを抱くことになりました。私が彼女に会ったとき、彼女は1日に6回の食事をしていました。痩せているのに、お腹が張っていて、人生に対する恐怖に満ちていました。私は、彼女の食事を1日3回にするようにサポートしました(そして適切な場合には少しの軽食)。彼女のマインドが落ち着き、お腹の張りが治まり、人生における消化が改善するまでには、たった6ヶ月ほどしかかかりませんでした。私が一番驚いたのは、食事の回数を減らしたのにもかかわらず、彼女の体が自然な体重を取り戻したことです。 一日3回の食事 決めた時間に滋養のある朝食、昼食、夕食を食べ、それぞれの食事の間には食べること以外のことをする。これは 十分にシンプルな概念です。しかしながら私たちの文化の中では日常的に間食をし、食べる時間と食べない時間という考えはもはや無縁になりつつあります。 食事と食事の間に間食をすることは、私たちの文化にとって比較的新しい体験です、西洋では第二次世界大戦の後、食べ物が自分の裏庭で採れるものから大企業が工業的に生産し売り買いされるようになったときに始まりました。工業化は、電気ストーブや冷蔵庫、温水ヒーターなど、大きな恩恵をもたらしました。しかし、同時にそれらの便利な道具によって与えられた自由な時間を有意義に過ごせていないという空虚な感覚を残していきました。 食べるということは、私たちの体に栄養をもたらす神聖な行為です。しかし、食の工業化や商業化で、食べることが止まることのない消費行動へと変わってしまったのです。人々は、しばしば肉体的な空腹感よりも感情的な飢餓感を満たすために食べています。人々はつまらない、疲れている、もしくは人生に何かが欠けているから食べるのです。しかし、食べ物ではそのような欲求は満たされません。私たちが見てきたこの70〜80年で起っている健康問題は、虚しさを埋めるために食べ物に手を伸ばし、体重が増加し病気になるというものです。 お腹が空くのは普通のこと 感情的なレベルでの痛みを和らげるために食べ物を使っていると、結果として、本当の飢餓状態を経験していない人にも飢餓の深い恐れが生まれてしまします。もしあなたがほんの少しの空腹を感じたときに、すぐに食べたいという欲望に負けてしまうならば、それはあなたが自分自身の健康や幸福を奪ってしまうことになるのです。 食事と食事の間に、お腹が空くという感覚は自然な経験です。それは、食べる時間がきたという知らせでもあります。消化力がいい状態のときでも、すべての食事を消化するには6時間かかります。消化時間は、何を食べたかやアグニ(消化の火)の状態によって、長くなったり短くなったりします。完全に消化する前にまた食べてしまうと、アーマama、未消化の毒を作り出し、消化不良の状態は病気への最初のステップとなってしまいます。 体は、何でもマインド(心)の信じるものに呼応します。もし、あなたが空腹を自然なことだと理解し、毎日決まった時間に食べていれば、空腹の感覚とうまく付き合っていくことができるでしょう。多くの私のクライアントは、自分で経験するまでそのことを信じませんでした。彼らは経験することで、間食をしないことがそれほど難しいことではなく、そうすることでより多くのエネルーギに満ち、消化も簡単になり、とても気持ちよく過ごせることがわかったのです。 西洋的な食生活とアーユルヴェーダの広がり ![]() 私はこれまで生きてきた中で、私たちが食べ物や食べ方にアプローチする方法が大きく変化するのを見てきました。その結果として病気は増えましたが、同じく多くの人が体に自然な食べ方に戻すことで健康を取り戻すのも見てきました。これが『もっと自由に アーユルヴェーダ流食べ方暮らし方』を執筆したきっかけです。今年、英語版を改訂して第2版を出し、日本語の翻訳版も出版しました。そんな中で気がついたのは、数十年前よりも今現在の方がもっとこのトピックについて話すことが重要だということです。 西洋の食生活である、間食することやスムージー、砂糖などが世界中に広がりました。一方で、世界各国でのアーユルヴェーダの認知度も上がってきています。西洋的な食事が病気に影響し、より自然に育った食材の食事を日に3回食べる方が大いに気分もよくなるということに気がつくまでには、そんなに長い時間はかかりません。何をどのように食べるかということとより良い関係性を築くためのチャンスはとてもたくさんあります。そうすることで、私たちは自分の健康や精神的な明晰さとつながり、自分の命や生活は売ったり買ったりすることはできない、自分が持ち主なんだという感覚を感じることができるでしょう。 どのように食べ物のバランスをみつけるか 食べ物のバランスを見つけることは、やる価値のある旅路です。あなたが何を食べるかについての経験をスローダウンして、その方法を見つけましょう。食品庫からスナック食品を取り除き、全粒の穀物、豆、スパイスを備えましょう。自分で食べるものを育てたり、レストランで食べるよりも自分の家で食事を作るなどして、自分の食事に関する主導権を取り戻しましょう。あなたが作り出した空間では、あなたの空腹や食べることに関する態度や振る舞いを観察する時間と明晰さを持つことができます。
あなたが食べ物とより良い関係を築けたら、それ以外の人生も正しい場所にうまくはまっていきます。あるべき姿で消化がうまくいっているときには、よりグラウディングしてセンター(真ん中)にいるようになり、あなたの高次の神に導かれた決断ができるようになります。あなたの一番の関心ごとにおける決断は、自然と輝き神々の光の方へと向かうでしょう。 あなたが人生のどの場所にいようとも、最も深いところで自分自身に食べ物を与えるという意味について学ぶ機会があります。あなたが食べることを神聖な行動として扱ったとき、すべての食事でも、そのほかの人生においても、深い満足感を得られることになるでしょう。
0 コメント
メッセージを残してください。 |
カテゴリー
すべて
アーカイブ
12 月 2019
|