![]() 冬の寒さは私たちの意識を内へと向かわせます。空が暗くなり、空気が冷たくなる内省に適した季節です。冬の間、私たちはシャバーサナ(屍のポーズ)やスプタ・バダコナーサナ(横になった合せきのポーズ)で休息し再生することができます。 季節が移り、春の訪れを感じている頃ではないでしょうか。木々のつぼみが膨らみ開いていくように、私たちも人生を最大限に生きる準備を始めましょう。心を開き、古い視点を手放し、冬の間に得た気づきを統合する時です。春は後屈のポーズを重点的に練習をすると良いでしょう。背骨の前側を開き、心の扉をあけるサポートをしてくれます。 後屈が春に大切な理由は、「体やオーラを巡るプラーナ(生命力)の動きを良くする」、「腎臓を刺激する」、「横隔膜を開き、カファドーシャを刺激する」、などたくさんありますが「ハートチャクラとのつながりを深めてくれる」、これが特筆したい後屈の効果です。私たちがハート(心)とつながっている時、私たちを導く真実を発見し、信念を持って歩みを進めることができます。後屈によって、嘘や偽りから遠ざかり、聖なる光を感じられるでしょう。8支則の中の5つのヤマに含まれるサティヤ(正直さ)のプラクティスに力を貸してくれます。 3ヶ月にわたって、3種類の後屈-シャラバアーサナ(バッタのポーズ)、セトゥ・バンダアーサナ(橋のポーズ)、ウルドゥバ・ダヌラアーサナ(車輪のポーズ)-を紹介していきます。サティヤのプラクティスやハートチャクラとのつながりを深め、春という季節が持つ新しい可能性に飛び込むサポートができれば嬉しいです。 シャラバーサナのバリエーション シンプルな動きで体への負担は比較的少ないながらも、様々な効果が期待できるパワフルな後屈です。 「胸と足を同じ高さに上げる」、「胸と上背部を広く保つ」、「肩甲骨を腰の方向に下げる」これらのポイントを意識しながらシャラバーアーサナを正しく行うと、どんな冬の憂鬱さも吹き飛ばし、気分が高揚するでしょう。エネルギーを高め、消化を促進し、背中、足、腕の筋肉を鍛えます。また、両腕をスーパーマンのように前に伸ばすバージョンは、同時に骨盤底筋も鍛えられ、腰痛の軽減に大変効果的です。 *シャラバーサナのやり方* ウジャイ呼吸を行いながら、呼吸と共にプラーナが流れるのを感じてみます。吸う息と吐く息は同じ長さで、同質の音がするようにします。動きと呼吸を連動させます。 1. スーリヤナマスカーラ(太陽礼拝)などで背骨を動かし体を温めておきます。 2. うつ伏せになり、あごと額を床に、足はくっつけます。 3. ニュートラルな背骨を作ります。尾骨をほんの少し(0.5cmほど)かかとに向けて伸ばし(下げ)ます。(小さな動きですが、正しいアライメントで後屈を行うためのとても重要な準備です。) ポーズを取っている間中、背骨をニュートラルなポジションに保ちましょう。 4. 息を吸いながら胸、腕、足を同時に、同じだけ持ち上げます。肩が凝っている場合は、腕を体側に、指先はかかとに向けた状態で腕を上げても良いでしょう。手首が腕から一直線にまっすぐと伸びていて、胴体につかないようにしてください。もっとチャレンジしたい場合は、腕を前に、肩幅より少し広めに開きます。その際、腰や肩が圧迫されたり、痛みが出ないことを確認します。また、後頭部の一番でっぱっているところで手を組み、手と頭を押し合うバリエーションもあります。首を鍛えることができます。どのバリエーション(写真参照)を選んだとしても、肩甲骨は腰の方向に下げ、腕は真っ直ぐをキープします。過伸展のクセがついている場合は意識的に少し緩めてまっすぐに調整しましょう。 5. 15 – 20呼吸キープした後、お休みのポーズ、例えばバラアーサナ(チャイルドポーズ)を取ります。 時間があれば、あと2ラウンド繰り返しましょう。 6. シャバーサナで終わりにします。新しい視点と共に目覚めましょう。 よくある間違い ![]() 胸と足の高さが同じでない。 背骨の一番弱い部分に圧力が集中してしまいます。 ![]() 肩甲骨を同士を狭める。 上背部は広く保ち、腕は過伸展にならないように気をつけながら真っ直ぐにキープし、プラーナの通り道を作りましょう。 ![]() 肩をすくめて耳と近づけている。 上背部と首が緊張してしまいます。肩を耳から遠ざけ、腕はロックせずに真っ直ぐにします。 サステイナブル(持続可能)なヨガのプラクティスを行いましょう。
シャラバーサナはもちろん、どんなポーズを練習している時も、自分に優しくしましょう。ヨガはパフォーマンスではありません。ヨガは意識を高めることです。痛みが出るのは自分の体に限界を越えて無理をさせてしまっている証拠です。より負担の少ないバリエーションを選び、味わうようにプラクティスを行いましょう。十分に準備ができてから、より難しいバリエーションにチャレンジしてください。微細なところにこそ人生の美しさがあります。このような意識でシャラバーサナに取り組むと、楽しく練習できるでしょう。そして人生の真実を見つけることができるでしょう。
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12 月 2019
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