![]() 木の力強さは、風が強い日にこそ分かりやすいでしょう。風が葉を揺らし、枝をしならせることがあっても、幹はしっかり大地に根ざしたままです。 ブリクシャアーサナ(木のポーズ)はバランス系のポーズで、内側に向かう強い集中力を養うことができます。このグラウンディングの感覚は、マットからおりた後も持続するでしょう。どんな風が吹こうとも、自分に根っこがしっかりあれば、安定していられます。 ブリクシャアーサナの内に向かう集中力は、ドリシティ(視点)を通じて達成できます。ドリシティを設定することで、動くことがない一点に目線を集中させながらも、あなたの意識は内側に向かっています。一点は見つめますが凝視はしません。こうすることで、ドリシティは世界に参加する方法を教えてくれます。それは世界に振り回されることとは違います。 目線の安定は、マインドの安定を象徴します。一定な呼吸で、思考から自由になると、あなたの目線は固定され、やわらかくなるでしょう。体は呼吸についていくだけです。逆に、もしも目線が次々に動くことを許してしまうと、マインドもラジャスの過活動の状態が続いてしまいます。サットヴァ(バランスと調和)は、本当のヨガの状態へと導いてくれます。ブリクシャアーサナのようなポーズでは、ドリシティがバランスの鍵を握っています。 アーサナ アウトライン Hale Pule(ハレ プレ)では、アーサナのポーズを3つの要素:エッセンス、アンカー、ストレングスに分けて考えます。ポーズの意図、礎部分、力を発揮する筋肉を記憶するのにとても効果的なツールです。正しいアライメントにより最適なエネルギーの流れをサポートし、末長く、サステイナブルにプラクティスを続けられる環境を作ってくれます。 (エッセンス:グラウンディング アンカー:床に触れている足 ストレングス:脚、骨盤底) 土台から作り上げるブリクシャアーサナ ブリクシャアーサナ初心者の方は、ドリシティはまず、遠く前方の少しだけ上の動かない点に設定しましょう。ポーズに慣れてきたら、鼻の先を見つめるようにしましょう。 ![]() 1. タダアーサナ(山のポーズ)で立つ。坐骨の下にかかとがくるように足幅を設定し、足の人差し指が正面を向いているようにします。背骨を自然なカーブを保ったまま長く伸ばします。 ![]() 2. 重心を左足に移動させ、大腿四頭筋を使います。骨盤は正面を向けたまま、右足のかかとを左足の足首に添わせ、足指の付け根母子球は床についています。ひざはこのバリエーションの場合、斜めを向いているでしょう。あなたの股関節のやわらかさ次第で角度は個人差があります。この状態でキープし、安定している場合はステップ4にスキップするか、ステップ3、4と徐々に発展させます。 ![]() 3. 右足を、左脚の自分にとって心地よい高さに持っていきます。太ももまで上がる人も、ひざより下の位置の人もいるでしょう。高さはどこであれ、軸足と上げている足でお互いを押し合ってバランスをさらに良くします。左右の腰の高さがずれないように、同じ高さをキープし、軸足のひざは正面、かつ過伸展にならないように気をつけましょう。 ![]() 4. 両手をお祈りするようにアンジャリ ムードラの形にし、親指は胸骨に当てます。この位置でキープしても、次のステップで上に動かしても構いません。 ![]() 5. 両腕を頭上に上げ、上腕骨を外転させ肩を開きます。小指は軽く内側を向いています。肩が上がらないように、腕はひじを伸ばし長く真っ直ぐ、アライメントを意識しながら両腕を必要なだけ広げます。練習を重ねていくと、手のひら同士をくっつけられるようになるかもしれませんが、まずはアラインメントが大切です。あなたが選んだ腕のバリエーションで15-20呼吸キープします。 ![]() 6. ステップをさかのぼりながらポーズを解きます。手をアンジャリ ムードラに戻し、足を降ろし、タダアーサナで立ちます。同じ要領でもう片側を行います。 よくある間違い ![]() 床に着いている足が外側を向いている 体の構造的に正面を向けると最も安定するはずです。骨盤がずれたりしているとそうは感じないかもしれませんが、座って、立つエクササイズで調整することが可能です。 ![]() ひざをなるべく外に向けようとして、腰がねじれている 木が成長するとき、ねじれることなく真っ直ぐ上に伸びていきます。腰は正面を向けたままを保ち、ひざの角度はあまり気にする必要はありません。 ![]() 目線が下を向いている あなたの視線の先は、あなたが向かう場所です。肩の真上に頭が乗り、背骨の延長線上にきているようにし鼻先もしくは前方を見つめます。 ![]() 手のひらが前を向いている 上腕骨を外転させ、肩を開き、小指は少しだけ内側を向いています。 ![]() 肩が耳の方向に上がっている 肩甲骨は下に降ろすように意識し、胸を開きます。 ![]() 腕が耳より後ろにきている 肩関節の前側が過伸展となり、弱くなってしまいます。腕は顔よりも少しだけ前にくる位置がベストのアラインメントで、胴体から気持ち良く伸びることができるでしょう。
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12 月 2019
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